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接地工事編

接地工事と目的

接地とは、英語でearth(アース)と言い、大地と電気器具や屋内配線を保護するための金属管などが電気的に接続された状態のことです。
接地工事は目的に応じて接地抵抗値が規定されており、保安用接地、機能用接地、雷保護用接地の3種類に分かれています。
さらに保安用接地はA種、B種、C種、D種の4つの種別に分かれており、種別ごとに接地抵抗値や電線の仕様などが定められています。

1 接地の目的
  • 電気器具などの金属製外箱を接地する機器接地の目的
    • 人等に対する感電を防止する
    • 漏電による火災を防止する
    • 保護装置(漏電遮断器、漏電警報器)を確実に動作させる
  • 変圧器低圧側の中性点を接地する系統接地の目的
    • 変圧器内部の混触事故により低圧側の電路に高い電圧の侵入を防止する
2 接地工事の種類
  • 機器接地
    • A種接地工事・・・高圧用または特別高圧用の機器の外箱または鉄台の接地
    • C種接地工事・・・300ボルトを越える低圧用の機器の外箱または鉄台の接地
    • D種接地工事・・・300ボルト以下の低圧用の機器の外箱または鉄台の接地例えば、対地電圧が100ボルト用及び200ボルト用機器の接地
  • 系統接地
    • B種接地工事・・・高圧または特別高圧と低圧を結合する変圧器の中性点の接地ただし、低圧側が300ボルト以下で中性点に施せない場合は、その一端子で接地
3 D種接地工事
  • 接地の必要な電気器具
    • 洗濯機や電気温水器等の水気・湿気の多い場所で使用する電気器具
    • 井戸ポンプや自動販売機等を屋外で使用する電気器具
    • 商店や工場等にあるエアコン、工作機器、溶接機等の200ボルトで使用する電気器具
  • 接地の方法
    • 銅板、銅棒、亜鉛メッキした鉄棒(接地極)などに、銅線をろう付けによって接続し 地中深く埋め込み、あるいは打ち込んで、電線を延長し接続目的物と接続する(接地目的物を接地線で大地へつなぐ)

なお、接地極は、なるべく水分を含み、酸類など金属を腐食させるような成分を含まない場所を選ぶようにします。
接地線は、一目で接地線であることが分かる場合のほか、緑色のビニル被覆で直径1.6ミリメートル以上の絶縁電線を使用します。
なお、可搬形の電動工具など移動して使う電気器具では、付属するコードやキャブタイヤケーブルなどの心線のうち、緑色被覆のものを差込プラグからコンセントの接地用の極を経て接地するようにします。
接地抵抗値は100オーム以下ですが漏電した場合に0.5秒以内に自動的に電気を止める漏電遮断器が電気器具に取り付けられていると500オーム以下に緩和されます。

低圧電気器具などに施すD種接地工事の施工例

※1 手元開閉器に装置されるヒューズまたは過電流遮断器(ブレーカー)の電流容量に応じて接地線の太さが定められます。(故障の際に流れる漏れ電流を安全に流せるように)太さの最小限は、直径1.6mm

※2 この中の線心の1本(緑色被覆のもの)を接地線として使用する。

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