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電気事故事例集

LBS老朽化によるアーク負傷事故

事故発生の事業所の概要
  • 受電電圧:6.6kV
  • 受電電力:54kW
  • 業種:製造
  • 主任技術者選任形態:外部委託
被害状況等
  • 事故発生電気工作物:受電用高圧交流負荷開閉器(6kV)
  • 被災者:電気管理技術者、80歳、男性、第2種電気主任技術者、電気保安経験年数55年
  • アークによる負傷【右手火傷、皮膚移植実施】
事故の状況

電力会社がケーブルの経路変更に伴い、キャビネットの切替え工事をしていた。当該事業場が4時間停電していることから電気管理技術者(被災者)が年次点検を一人で実施していた。被災者は、電力会社の工事終了後、復電のためキャビネット内モールドジスコンを投入し、キュービクル前で待機していた。
電力会社側工事業者が区分開閉器(AS)を投入し送電したところ、数十秒後大きな音がして、異常を感じたため、直ちにASを開放した。
電力会社側工事業者がキュービクル前で意識を失って仰向けに倒れている被災者を発見した。
1984年製と推定される当該LBSの1次側に短絡痕がある。前面のアクリルカバーは閉じており、アークで吹かれ黒くなっている、ジスコン棒は所定の位置にあり、被災者が操作した形跡はない。
(被害者の服装:作業服、帽子(布製)、運動靴、手袋なし)

事故原因
  • 1984年製と推定されるLBSであった。
  • キュービクルの扉を閉めずに待機していた。
  • 年次点検を1名で実施した。
再発防止対策
  • 老朽化した機器は早めに更新する。
  • 復電時はキュービクルの扉を閉める。
  • 年次点検は複数名で実施し、一人作業を禁止する。