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電気事故事例集

擁壁の塗装作業中の感電負傷事故

事故発生の事業所の概要
  • 受電電圧:6.6kV
  • 受電電力:195kW
  • 業種:小売
  • 主任技術者選任形態:外部委託
被害状況等
  • 事故発生電気工作物:高圧引込みケーブル(6kV)
  • 被災者:作業者、26歳、男性、資格なし、作業経験年数8年
  • 感電負傷(入院・8日間)【右足すね、左腰上部、左手指3本(人差し指、中指、薬指)に3度の火傷】
事故の状況

社外作業者(被災者)が擁壁の塗装作業を実施していた。被災者はブランコに乗って建物上部の囲い(地上9m)の塗装作業していたところ、1号柱上高圧交流負荷開閉器(PAS)直下の高圧引込線に右足が触れ感電した。被災者は感電直後一時気を失ったが自力で地上に戻り、現場責任者(上司)に感電した旨の報告をした。

事故原因
  • 被災者はちゅうちょなく高圧線に接近するなど、危険に対する認識がなかった。
  • 囲いと高圧引込線の離隔距離は、技術基準により、80cm以上とされているにもかかわらず、最も狭いところで約35cmであった。
  • 防護管等の事前準備をしなかった。
  • 電気保安法人に対し工事実施の事前通知をしなかった。
再発防止対策
  • 電力会社に区分開閉器(AS)の開放を要請し、全停電での作業を実施する。
  • 高圧架空引込線の離隔適正化工事を実施(技術基準解釈第99条の遵守)する。
  • 作業区画の高圧引込線を防護管、または絶縁シートで隔離する。
  • 電気主任技術者に立会いを要請する。