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広報誌「電気と保安」

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[低圧編] FILE NO.16 省エネしたら損した話

二灯式蛍光灯を一本外したら安定器が焼損したというケース

自動車販売業のお客さまへ月次点検にお伺いしたときのことです。「しばらく前から倉庫の二灯式蛍光灯の一灯がつかなくなったが、省エネにもなると思い、1本を外して残りの1本だけを点灯しておいた。ところが最近それもつかなくなったので、新品のランプ2本を取り付けたが、2本とも点灯しないので、点検してほしい」との相談をうけました。

さっそく調査したところ、器具内の安定器が焼損していました。焼損の原因としては、経年劣化も考えられますが、蛍光ランプを1本外していたことと関係がないか、詳しく調べることにしました。

この蛍光灯は、ラピッドスタートと呼ばれている点灯方式のものです。この点灯方式は、家庭の蛍光灯でよく使われているグローランプが不要で、スイッチを入れるとすぐ点灯するなど、すぐれた点があることから、事務所や工場などで広く使われています。

さらにラピッドスタート式は、いくつかの種類があり、焼損した蛍光灯はフリッカレス形と呼ばれるもので、蛍光ランプのチラツキを少なくするための電気回路が工夫されているタイプです。 

この方式では、進相回路と呼ばれている方の蛍光ランプを外すと正常時より入力電流が増加してしまい、その結果一次コイルの温度が上昇し、コイルを焼損する恐れがあります。

このお客さまの場合も、外したランプが進相回路であったため安定器が焼損したものと思われます。 このタイプの場合、節電のため消灯する場合には、2本とも外すか、回路の判別に注意して遅相回路側のランプを外すようにします。

しかし、安定器の種類によって蛍光ランプを外したときの影響が違いますので、ランプを外したままにしておくことは、思ったほど節電できないばかりか事故につながる恐れもあります。

したがって、蛍光灯の節電対策としては、

  1. 使わないときはこまめに消す
  2. 一斉点灯ではなく、個々に、あるいはグループごとに点灯できるように改善する。

といったやり方の方がよいようです。

もう一度身近な蛍光灯を見直してみてはいかがでしょうか。

ランプ 安定器の種類 電源電圧(V) ランプの外し方 正常に点灯する割合 注意点 ランプを外すことの可否
入力電流(%) 入力電力(%)
ラビットスタート形ランプ 40W2灯フリッカレス形 高力率形 100
200
2灯とも外す 20 7 入力電流は0にならない
遅相回路のみ外す 83 62 ランプの判別に注意
進相回路のみ外す 106 53 一次コイルの温度上昇が正常点灯時より高くなるので不可 ×
40W2灯直列対次始動型 高力率形 100
200
2灯とも外す 38 5 無負荷電圧が雑音防止コンデンサにかかり続けるタイプの
ものがあり不可
×
1灯のみ外す 38 5 他の一灯も点灯しない。残った一灯が微光放電することがあり、始動用または雑音防止コンデンサに高い電圧がかか
り続けるので不可
×

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