
当協会では、公益活動の一環として、一般企業や各種団体からの要請を受けての電気安全講習会を開催、また「未来を育てる」をコンセプトに小学生・中学生・高校生を対象にした出前授業や各種イベントでの電気安全出張相談所の活動などのほかに、文化財の電気設備点検なども行っております。

協会職員手前の2人と左手奥の三澤文化財担当副主査、
右手奥は電気新聞記者
海湧山 清白寺
山梨県山梨市三ヶ所620
今回の点検は山梨市教育委員会よりの依頼を受けて市内の清白寺の点検を実施しました。清白寺の仏殿は、国宝につき電気新聞より取材の申し入れがあり記者が同行しました。
点検にあたっては、山梨市役所のロビーで当日の手順や注意事項について最終打合せをしました。

庫裏前の駐車場で点検手順を打合せる協会職員
山梨には1300年代に夢窓疎石によって開創された恵林寺や長禅寺などの夢窓派の禅宗寺院が創建されています。清白寺も同時代に夢窓疎石の高弟清渓通徹により開創されました。
仏殿の点検

仏殿正面
1415年の建立で仏教建築の主な様式のひとつである唐様建築の「方三間裳階付仏殿」として知られています。禅宗は鎌倉時代から室町時代にかけて、武士の信仰を集め、各地に禅宗寺院が建てられましたが、その後衰退したため現存する遺構は極めて少なく禅宗仏殿の古い様式を伝える貴重な建物として国宝に指定されています。
仏殿は小規模ながら堂々とした風格があります。

外周の確認
仏殿外側の火災報知機点検
センサーの確認
仏殿内部を慎重に確認する協会職員
内部は外観から想像するより広く感じられる
仏殿正面で取材をする新聞記者
まず、仏殿の建物本体、周辺部、電気設備などを確認してから点検を開始します。
警報盤点検
住職の住居に設置された火災報知機装置を点検します。
奥様によると以前は本堂横の庫裏を住居としていたが、20年ほど前にこの建物を建て住居内に火災報知機の受信盤を設置したとのことです。

警報盤点検
受信盤点検
外周部の点検
本堂と庫裏の点検前に周辺部や建物の外観点検や引き込み口配線などの点検を行います。

庫裏正面
庫裏の台所入り口の配線を確認
本堂玄関、左が本堂、右に庫裏
本堂正面
庫裏の点検
寺伝によれば、開基は足利尊氏で国家安泰戦勝祈願所として創立されましたが、江戸時代初期の1682年に火災により現在国宝に指定されている仏殿を除き喪失し、その直後より50年間程にわたり再建工事が行われました。元禄年間には庫裏も再建され江戸中期の禅宗寺院の様式を伝える庫裏として貴重であり国の重要文化財に指定されています。
庫裏とは、僧侶の居住する場所で僧侶の食事を用意する台所としての性格や寺の事務を扱う社務所としての機能を持つ建物です。
清白寺の庫裏も同様で住職夫人によると以前はこの庫裏で生活していたので、コンセントなども多くありそれらを点検します。

庫裏の玄関
受電盤の点検
台所点検
問診中の職員
本堂の点検
庫裏と前後して再建された建物で、前後各3室、6室構造のいわゆる方丈型本堂と呼ばれる形式で、室中と両脇の部屋境に差鴨居を用いて中間の柱を省略し、上部を竹之節欄間とすることで3室が一体化した大空間を作り出しています。
この建物は、市指定有形文化財に指定されています。
本堂には、照明とコンセント類が数箇所にありますが、人目につかないように下の写真のように壁と襖の間の敷居に埋め込み式で設置されています。文化財につき細部にわたり、このような工夫がされています。
コンセントは目立たないように、壁と襖の間の敷居に埋め込み式で設置されている
本堂大広間の柱に付けられた照明用スイッチを点検。
右下写真の木造夢想国師坐像は、市指定有形文化財に指定されています。
点検終了と報告

仏殿正面
点検を終了して、庫裏の前で市役所の三澤文化財担当と住職夫人に点検内容を報告しました。また不具合箇所が無いか協会職員による問診も実施しました。
清白寺仏殿と同様の様式に鎌倉市の円覚寺舎利殿(国宝)や東村山市の正福寺地蔵堂(国宝)があります。
山梨県を含めた関東地方にある国宝の建築物は上記の3点を除くと次の3点になります。
・栃木県日光市 日光東照宮・輪王寺の6物件
・山梨県甲州市 大善寺本堂
・東京都港区 旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)
国宝の建築物では、奈良の東大寺や京都の清水寺などが有名ですが、山梨県にも2点あります。
(23年10月撮影)







