
当協会では、公益活動の一環として、一般企業や各種団体からの要請を受けての電気安全講習会を開催、また「未来を育てる」をコンセプトに小学生・中学生・高校生を対象にした出前授業や各種イベントでの電気安全出張相談所の活動などのほかに、文化財の電気設備点検なども行っております。

社務所前での打合せ
大井俣窪八幡神社
山梨県山梨市北654
山梨市教育委員会より市内の文化財の電気設備点検について依頼があり、山梨市の大井俣窪八幡神社の特別点検を行いました。
実施前打合せで、現在同神社は拝殿の屋根の葺き替え工事が行われているので注意するよう山梨市の三澤文化財担当副主査より指示を受けました。
電気設備内容については、宮司夫人より説明を受けました。歴史がある神社につき宮司は38代目です。
点検には、山梨日日新聞の取材も入りました。
写真は社務所の前で左から新聞記者・38代目宮司夫人・協会職員2人・三澤文化財担当です。
○八幡神社の由来
八幡神社は各地にあり、その数は4万社とも言われ、本社は宇佐神宮です。日本三大八幡宮と称されるのは、京都府八幡市の岩清水八幡宮と神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮などがあります。
清和源氏は清和天皇の第六皇子を祖として、岩清水八幡宮を氏神とし、源義家はその神社で元服をして自らを八幡太郎と称しました。
○大井俣窪八幡神社の由来
その由来は古く、清和天皇の勅願により859年に大分県の宇佐神宮の八幡三神を笛吹川の中島の地に勧請、その地名をとって大井俣大明神と称しました。
その後、何度かの水害で流され、現在の地に遷座して窪八幡神社となりました。現在の本殿は1410年に甲斐国守護大名の武田信満により再建されたものです。
甲斐源氏の武田氏は義家の弟である、新羅三郎義光を祖とする清和源氏の一氏族で八幡神社への信仰は武田氏滅亡まで引き継がれました。
歴史が古いだけに境内には国指定の重要文化財が9点、県指定の文化財が4件ある文化財の宝庫です。
参道にある大鳥居も木製の鳥居としては日本最古で国指定の重文です。

鳥居 国指定重要文化財
石橋と神門 国指定重要文化財
比咩三神本殿 国指定重要文化財
如法経塔 県指定有形文化財
○神仏混合の名残
この鐘楼は、神社に残る1550年頃の古地図に現在の位置に記載されており、1501年に再建された境内に2点ある国指定重文の高良神社と建築形式や技法が似ており同年代の建築物と想像されるが、腐敗が進み倒壊寸前のところ、県指定の文化財に指定されたことから解体復元工事が行われました。

高良神社 国指定重要文化財
鐘楼 県指定有形文化財
付属設備の点検
社務所の点検
社務所の引き込み口配線から分電盤などの点検を行い、室内点検を行いました。

引き込み口配線点検
分電盤点検
境内設備の点検
境内はかなり広く、ポンプ室・宝物殿など拝殿と本殿以外の建築物のほかに外灯も相当数ありました。

外灯分電盤内の開閉器端子の増締め
引き込み口配線の手直し工事
外灯の点検
外灯分電盤内の点検
宝物殿の点検
近代的なコンクリート製の宝物殿を点検しました。
文化財がさりげなく展示されていましたので破損事故が無いよう注意深く点検を行い、無事終了しました。

受電盤の点検
館内目視点検
拝殿と本殿の点検
大井俣窪八幡神社の特徴

窪八幡神社の本殿は正面幅が16mあり、正面の柱が12本で柱間が11となることから十一間社流造といわれます。
本殿で九間社以下の社殿は多くありますが、十一間社はこの本殿のみとなっています。
イラストのように、柱と柱の間を一間とします。
拝殿と本殿の点検

拝殿の点検
本殿の点検
本殿裏側の分電盤点検
点検結果について宮司夫人に報告
一般的に見られる神社は本殿・幣殿・拝殿からなり、拝殿は祭祀を行うための社殿で神職が着座するところで吹き抜けの場合が多い、神社を訪れた際に一般に参拝するのは拝殿の手前で、厄払いや七五三の祈祷などのために昇殿することがあるのが拝殿です。
幣殿は祭祀において神に奉献する社殿であり、拝殿と一体となっていることが多くあります。
本殿はご神体を安置する社殿で内部に人が入ることを前提としていないので拝殿より小さいことが多くあります。
本殿には、建築様式として
・屋根に妻を持つこと
・床を高く張ること
・瓦を用いないこと
など幾つかの決まりごとがあります。
屋根に瓦を用いないことについては、仏教建築の瓦葺との差異を表そうとしたことが考えられ、神社の屋根は基本的には檜皮葺などの植物で葺く、近世では銅板葺も見られるようになりました。
拝殿の屋根の葺き替え工事
点検終了後、三澤文化財担当より葺き替え工事の説明を受けました。
撮影時は改修工事でシートに覆われていましたが、本殿は大井俣窪八幡神社本殿と摂社、若宮八幡神社本殿の2棟で拝殿も本殿にあわせて2棟あります。大井俣窪八幡神社本殿が十一間社と長大であるため、左上の写真のように若宮八幡神社の拝殿(写真手前)の屋根が大井俣窪八幡神社の拝殿(写真奥)の屋根に食い込んでいます。

拝殿屋根 奥が大井俣窪八幡神社、手前が若宮八幡神社
手前が大井俣窪八幡神社、奥が若宮八幡神社
若宮八幡神社
吹き替え中の大井俣窪八幡神社の本殿側屋根
拝殿の葺き替えの後に本殿の吹き替えと本殿の塗装の改修で3年間かかるとのことです。
(23年10月撮影)



