
当協会では、公益活動の一環として、一般企業や各種団体からの要請を受けての電気安全講習会を開催、また「未来を育てる」をコンセプトに小学生・中学生・高校生を対象にした出前授業や各種イベントでの電気安全出張相談所の活動などのほかに、文化財の電気設備点検なども行っております。

茨城県桜川市真壁町
登録有形文化財(建造物)
真壁町の文化財は、23年3月の大震災で蔵の瓦屋根などに重大な被害を受けた上に、9月21日に静岡県に上陸した台風15号の強風により壁板が飛ばされるなど2度にわたる被害を受けました。
桜川市教育委員会の依頼を受けて4日間に延べ10人を派遣して建築物の漏電の有無や引き込み口の点検などを行いました。
○登録有形文化財(建造物)とは
登録有形文化財(建造物)とは、消滅の危機にさらされている文化財建造物を後世に継承していくために文部科学大臣が文化財登録原簿に登録する「文化財登録制度」、この制度は届出制を基本とする穏やかな保護措置を講じる制度であり、従来の重要なものを厳選して許可制等の強い規制と保護をおこなう指定制度を補完する制度です。
有形文化財のうち、重要なものを「重要文化財」に指定し、さらに世界文化の見地から価値の高いものを「国宝」に指定しています。

建造物の前にはそれぞれ石碑が置かれている
○重要伝統的建造物群保存地区とは
重要伝統的建造物群保存地区とは、昭和50年の文化財保護法の改正により、城下町、宿場町、門前町など歴史的な集落・町並みの保存のために市町村が条例などにより定めた「伝統的建造物群保存地区」のうち市町村の申し出を受けて、特に価値が高いものとして文部科学大臣が選定したものを指し、23年6月現在91地区が指定されています。
点検のようす
家屋の点検
震災で屋根瓦が被害を受けてシートでカバーをしている家屋の引き込み口配線の点検や分電盤の点検を行います。
在宅している場合は、点検の趣旨を説明して可能なら分電盤の点検も行いますが、不在の場合は外部点検を実施しました。

引き込み口配線点検(1)
引き込み口配線点検(2)
引き込み口配線点検(3)
空調機のアース点検
分電盤の点検
神社仏閣の点検
地区内の神社仏閣の点検も行いました。
今回の点検は、登録有形文化財(建造物)としての建物と重要伝統的建造物群保存地区としての地区内にある建物の両方が対象となります。

点検の趣旨を説明する職員
お堂の引き込み口配線の点検
潮田家住宅の点検
町でも大きな建物で、江戸末期には呉服・雑貨商を営み明治期には更に業務を拡大。
現在も当時の主要な建物が現存しています。

点検に立ち会う潮田夫人
敷地内の点検を行う協会職員
母屋と手前の蔵も震災の被害を受ける
引き込み口配線の点検
台風の強風で板壁も剥がれる被害を受ける
見世蔵・土蔵と「真壁ひなまつり」
市街地には古い町並みが残っており、国の登録有形文化財(建造物)の数は100を超えます。
また、平成22年にはこの真壁地区が関東地方では1件目の佐原の町並みに続き4件目の歴史的景観を残す町並みとして国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。

「真壁ひなまつり」は、このような登録有形文化財(建造物)の見世蔵・土蔵などを活用して江戸時代から明治・大正・昭和・平成までのひな人形などを飾りつけた祭です。
平成15年から町おこしの一環として行われましたが、最近では人形を飾る家も160軒程度に増え、観光客も10万人を超える人が訪れ23年は2月4日から3月3日までの1ヶ月間開催されました。
24年の開催は「23年3月の大震災と台風の影響を受けましたが、是非開催したい」と桜川市商工会の川嶋会長はおっしゃっていました。

検内容などについて、話す協会職員と川嶋会長(写真右)、
会長の見世蔵も震災の被害を受けた

会長所有の見世蔵
見世蔵内部を点検する協会職員
ひなまつりではこの見世蔵にも展示をする」と話す会長。
街中には、写真のような被害を受けた建築物が目立つ。
被害の少ない見世蔵はこのように飾られ訪れる人を待っています。

歌川広重の「名所江戸百景」
江戸の町からの筑波山
桜川市は平成17年に真壁町、岩瀬町、大和村が合併して桜川市となった新しい市で茨城県の中西部に位置し、最寄り駅は栃木県小山市の小山駅と茨城県笠間市の友部駅を結ぶJR水戸線の岩瀬駅です。
市南部の筑波山は姿が美しいことから富士山とも対比され、「西の富士、東の筑波」と並び称され、日本百名山にも数えられています。
百名山のうちでは、最も標高が低く877mですが、関東平野では希有な独立峰的な山で、このことから気象観測や無線通信の拠点として山頂付近には多くのアンテナ類が立てられています。
また、この山は火山などではなく花崗岩が隆起してつくられた山です。

真壁町の歴史
昭和62年に廃線となりましたが、大正に入ってから土浦市と岩瀬町を結ぶ筑波鉄道が開通すると筑波の花崗岩を東京方面に出荷する石材の町として真壁町が発展しました。
筑波鉄道の線路跡は「岩瀬土浦自転車道」として整備され、当時の駅を利用した休憩所などもある全長40キロの自転車・歩行者専用の道になっています。
真壁では、江戸時代には木綿の栽培が盛んで、その他に大豆・麦などが栽培され、綿織物・醸造業などが栄え、明治に入ってからは製糸業などが発達していました。 花崗岩は御影石とも呼ばれ、緻密で硬いことから神社の鳥居や城の石垣、道標などのほか、表面を研磨して光沢を出すことが可能で、墓石など広範囲に利用される石材です。関東地方の産地はいずれも茨城県の笠間と真壁で、真壁は「真壁御影」の名で有名です。
(23年9月撮影)





